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2020年10月9日金曜日

【ご存知新選組隊長 近藤勇】

                               ご存知新選組隊長 近藤勇

三鷹龍源寺にある胸像
近藤勇は、誰もが知っている幕末の有名人で、天然理心流の使い手で新選組隊長、愛刀は虎徹と云うのは定番の知識だと思います。彼の生まれ育った場所が案外我が家の近くであることが分かりました。
近藤勇は天保5年(1834)に武蔵国多摩郡上石原村(現調布市野水)の百姓宮川家の三男として生まれたそうです。


近藤勇生家跡および近藤神社

宮川家は経済的には中流の上の家庭だったとのことです。この生家は太平洋戦争の時に調布飛行場延長工事のため取り壊されたが、井戸と近藤勇を祀った小さな神社が現在も残っています。


 

ビルの裏にひっそりとあった試衛館跡の碑

近藤は嘉永元年(1848)に江戸牛込(現新宿区)に所在する試衛館(試衛場)天然理心流剣術道場に入門し、翌嘉永2年には目録を受け、同年に近藤周斎の養子になり、近藤姓を与えられたわけです。この試衛館の跡の碑は、現在大きなビルの裏側にあたる細い路地に面してあるため探すのに苦労しました。

 

金地院にあった近藤周斎の墓

 近藤周斎は天然理心流剣術三代目宗家で試衛館を開設した人物です。この周斎の墓は東京タワーの真下の港区にある金地院(徳川家康の下で外交・立法・宗教の統制を行い黒衣の宰相と云われた金地院崇伝の建てた寺)にありました。実は崇伝の建てたお寺がどのようなものか、興味があってお寺を観に行ったところで偶然お会いした人から尋ねられて一緒に探したところ周斎のお墓を発見することができたものです。

 

近藤は、万延元年(1860)に御三卿の一つ清水徳川家の家臣松井氏の娘と結婚し、翌年には天然理心流剣術第四代宗家となり日野宿の名主などが門人となり後援者を多数得ているようです。なお、調布の生家の脇には勇の甥(勇五郎、勇の娘婿でもある。)が建てた天然理心流剣術道場(撥雲館)の建物が残っています。

 

撥雲館の碑

天然理心流剣術道場(撥雲館)

 

 文久3年(1863)幕府は庄内藩出身の清河八郎、旗本の松平忠敏の献策により第14代将軍家茂の上洛を警護する浪士組を募集した。これに水戸藩の芹沢鴨を初め近藤等試衛館から8人が参加し京都へ向かった。京都到着後、清河等は江戸に帰ったが芹沢と近藤達は京都に残り会津藩預かりとなり市内警護を担う壬生浪士組を結成した。やがて長州藩が京都政局から排除され、壬生浪士組は長州の残党狩りで活躍し新選組の隊名を下賜された。

その後、近藤・土方等は近藤の意に応じない芹沢や隊士を暗殺し近藤主体の体制を作り上げ池田屋事件や禁門の変などで活躍するも鳥羽・伏見の戦いで敗れ江戸に戻り甲府城の守りである甲陽鎮撫を命じられ新選組を甲陽鎮撫隊と改名、しかし新政府軍と勝沼で戦い敗れ、会津で再起すべく千葉の流山に屯集しているときに新政府軍に捕縛され、総督府が置かれていた板橋宿に連行された。

板橋宿平尾の脇本陣跡

板橋宿平尾の脇本陣(豊田家)に幽閉され連日取り調べを受けた後、板橋刑場で斬首され、首は京都産条河原で梟首されたが、その後の行方は諸説あるようですが不明であるとのことです。
板橋駅の前に壽徳寺境外墓地として旧同士長倉新八が建立した近藤の墓所があります。

 
墓碑には土方や他の隊士名前もあり慰霊塔の意味もあるとのことです。また同じ墓所に長倉新八自身の墓もあります。
 

近藤勇埋葬当初の墓石

永倉新八の墓石

壽徳寺境外墓地全景

 


また、近藤勇の兄音五郎が刑場番人に袖の下を使い首のない遺体を掘り起こして菩提寺である三鷹の龍源寺に埋葬したとのことで龍源寺にお墓があります。

都の文化財を表す表示板

龍源寺にある勇の墓石

近藤勇の首の行方については、以下のような説があるようです。

・ 岡崎市の法藏寺:旧隊士の齊藤一が首を持ち去り京都の宝蔵寺の住職に預けた。

  その住職が岡崎の法藏寺に移るときに近藤勇の首も一緒に法藏寺に移されたという説。

・ 米沢市の高国寺:偶然上京していた従兄弟の近藤金太郎が盗み出し、一度焼いて骨を米

    沢に持ち帰り高国寺の近藤家の墓に埋葬したという説。

・ 京都市の東本願寺:東本願寺が引き取り東大谷に埋葬したという説。

・ 会津若松市の天寧寺:下僕の上坂仙吉(侠客で通称会津の小鉄)が愛刀の虎徹と一緒に

  首を運んで会津若松市の天寧寺に埋葬したという説。



                                                                                     

                                【寄稿】 梅川芳宏(1962年法)




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